どこまで認められる?経費の範囲について

※行田古代蓮の里にて

 経費の範囲とは

商売を始めてまず迷われるのが、どこまで経費として認められるのか問題ではないでしょうか。
実際問い合わせも多く、税務調査の際にも争点になりやすいです。
結論から言うと、白黒決まった答えはなく、それぞれの事業によって経費の範囲は変わってきます
では、法律ではどのように規定しているのでしょうか。

法律上の取り扱い

所得税法第37条(必要経費)(抜粋)
必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする。

所得税法施行令第96条(家事関連費)(抜粋)
業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費

売上原価というのは、商品を仕入れて、その商品を売り上げた際の、その商品の仕入金額になるのは分かりやすいかと思います。
また、「収入金額を得るために直接要した費用の額」も売上と直接ひもづくものである支出(例えば顧客との信頼関係維持のための接待)もイメージしやすいかと思われます。

一方、販売費、一般管理費についてですが、事業内容によって経費になるかの判断が分かれます。
というのも、個人事業者は、私生活と仕事を明確に区別することが困難な場合があることが理由です。

ここで大切な考え方となるのが、「業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合」です。

それぞれの事業内容によって経費の範囲は異なりますし、同じ支出でもいつ、どんな状況によっても経費の範囲は異なってきます。

例えば自動車整備工場で必要な工具は美容院の経費にはならないでしょうし、その逆の美容院で必要なドライヤーは自動車整備工場の経費にはなりません。

また、家族でディナーを食べた領収書は経費には入りませんが、得意先との打ち合わせで利用した場合にはもちろん経費に入れられます。

それでは、税務署にすべて事業として使った経費です、と言えば何でも認められるのでしょうか?

答えはいいえです。例えばガソリン代をすべて経費にいれて、事業に使ったと主張しても、プライベートでは全く車に乗らないのですか?と税務署から尋ねられます。

もちろん、2台持っていてプライベート用、事業用を分けていれば問題ないのですが、1台しか持っていないとすると、厳しいでしょう。

また、飲食については、この支出はプライベートなものではないか、というあらぬ疑いをもたれないよう、誰と飲食したのかという事をレシートの裏や別途メモを残しておいて、税務署に説明できるようにしておきましょう。
他の支出についても、仕事を行う上で必要不可欠な支出である理由を説明できるようにしておくことが必要です。
売上と直接ひもづく支出である理由があれば、なお良いでしょう。

 

まとめ

今回はどこまで認められる?必要経費の範囲についてまとめてみました。
領収書は気がつくとすぐたまってしまい、時間が経つと何に使ったか記憶があいまいになってきます。

こまめに何に使ったのか領収書の裏や余白にメモなどして、税務署に合理的な説明できるよう、準備しておきましょう。

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小幡剛史(おばたたけし) 1984年5月15日生 2018年12月に独立した30代のさいたま市浦和区の税理士です。 クラウド会計を活用して経理効率化が得意です。 二児の父です。 週末はスーパーに開店前から並んで、賞味期限ギリギリ激安おつとめ品をゲット!することが最近のマイブームです。 趣味はバイク(ゼファー750RS)・写真(NikonD610)・家庭園芸・DIY・レザークラフト・山登りです。