1月も終わりになってきて、そろそろ確定申告の準備を始めている方が多いかと思いますが、今話題の(今さら遅い?)ビットコインの確定申告について説明したいと思います。
様々なサイトで確定申告のやり方については語られてるかと思うので、個人的にはこういうこと説明してほしいよなぁと思ったところを説明していきます。
ちなみに、筆者自身も遊び程度に色々な仮想通貨を持っていますが、先日のコインチェックのNEM流出で被害を受けた一人です(涙)
海外の取引所にある仮想通貨は申告不要?
海外(国外)の取引所で仮想通貨を売買していた場合、国内で利益を出している訳ではないから申告しなくてもいいのでは?
と思ってしまう方がいるかも知れませんが、これは誤りです。
日本に住んでいる限り、仮想通貨で得た利益は申告しなくてはいけません。
全世界所得課税といって、居住者(日本に住んでいる者)である限り、全世界で得た所得は日本で申告しなければならないのがルールです。
個人事業者だけど、利益が20万円いってないから申告しなくていいよね?
利益が20万円いっていなくて申告不要なのは、サラリーマンなど給与所得がある人で、他に所得がない人だけです。
個人事業者は、基本的には申告必須と考えてください。
会社を立ち上げて一人社長で給与をもらっている場合には個人事業者ではないので、申告不要です。
ただし、申告不要なのは所得税だけであって、住民税については申告は必要ですのでご注意ください。お住まいの各市区町村のHPに、確定申告書類のフォーマットがある場合もありますのでチェックしてみてください。
仮想通貨での損失と利益は相殺できるけど、他の所得と相殺できる?
仮想通貨同士で損失もあれば、利益もある場合、これらの間で損益通算(相殺すること)はできますので、相殺したあと利益がでる場合には申告する必要があります。
仮想通貨で出た損失と他の所得との相殺ですが、雑所得の中でだけ相殺ができます。
どういうケースが当てはまるかというと、例えば本業はサラリーマンで給与をもらっているけど、副業で講演料をもらっていたり、アフィリエイト収入があったりした場合、その副業部分の所得は、仮想通貨で出た損失と相殺できます。
しかし本業の給与所得との相殺はできません。つまり、給与から天引きされた源泉税は還付されません。
このことは個人事業者についても同様、本業で得た事業所得についても、仮想通貨の損失との相殺はできません。
ただし、本業の中で、円の代わりにビットコインなど仮想通貨でも決済してる場合に、その決済の中で発生した仮想通貨の損失は、事業に係る損失になりますので、事業で得た利益と相殺が認められます。
つまり、仮想通貨のやり取りが事業に関連していれば事業所得の中で損益通算できるということです。
ただ、少額決済だけしか事業で仮想通貨を使っていないのに、決済金額以上に投資目的で売買している場合には事業所得にはならず、やはり雑所得で計算すべきかと思います。
つまり実態で判断されるかと。
仮想通貨での損失を来年にも繰り越したいけど…
残念ながら、できません。
上場している株や投資信託の場合、損失が出ても3年間は損失を繰り越しできますが、仮想通貨など雑所得で申告すべきものについては、繰り越しは認められていません。
仮想通貨で他の仮想通貨を買った
これは申告が必要になる場合があります。仮想通貨から仮想通貨だから、利益確定していないじゃないか?と思いがちですが、他の仮想通貨を買った時に、元の仮想通貨を一旦円で売却して、再度その売却した金額で新たな仮想通貨を買ったものとみなされます。
具体的には
1ビットコイン=150万円のとき、1ビットコインを150万円で購入。
その後1ビットコイン=200万円の時に、0.5ビットコインで10,000リップル購入。
この場合にはリップルに変えた0.5ビットコインについて売却があったと考えます。
0.5ビットコインの取得価額は150万円×0.5ビットコイン=75万円。
売却時の時価は200万円×0.5ビットコイン=100万円。
利益は100万円-75万円=25万円(確定申告で雑所得として、申告が必要)
一方、リップルの取得価額は、ビットコインを売却したと見なされる価額なので、
10,000リップル=100万円
となります。この金額を取得価額(元値)として、リップルを売ったりモノを買ったり、他の仮想通貨を買ったりした場合に、上記のビットコインの時と同じように損益計算を行います。
まとめ
仮想通貨の損益について、確定申告する上での取り扱いについて述べてみました。
特に仮想通貨で仮想通貨を購入した場合、その時点での元の仮想通貨の金額を調べる必要がありますので、これが非常に手間がかかるかと。申告期限ギリギリにならないように早めに仕上げておきましょう。
ちなみに余談ですが、コインチェックのNEM流出で損害が発生した場合、個人的には雑損控除が適用できると思います。
これについてはまた改めて書きたいと思います。
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