固定資産にまつわる税務調査。書類だけ整っていても税務調査では通用しない

税務調査でのチェックポイントに、固定資産があります。
固定資産は割りと間違いやすい論点になりますので、調査官も必ずチェックします。
耐用年数や償却方法の誤りのチェックはあるとして、それ以外にも、例えば固定資産に計上しなくてはならないのに経費で落としてしまったり来期に稼働しているのに今期稼働していることにしてしまったり、といったような会計処理をしてしまうと、一発アウトで追徴課税となってしまいます。

今回はそんな間違いやすい固定資産の処理について、どんなところを調査官は見ているのか解説したいと思います。

付随費用は取得価額に含まれているか

これは非常に間違いやすいポイントです。
固定資産計上しなければならない費用を経費で落としてしまうと、一発アウトで追徴課税になってしまいます。
実務上で注意すべきことは、本体部分と付随費用が1枚の請求書で来れば、固定資産計上しなければならないことを見落とさずに、適切に処理できるのですが、これが据付費用試運転費用などの付随費用の請求書だけ別途違う請求書で来てしまうと、うっかり経費で落としてしまいがちです。
固定資産関連の請求書を仕訳入力する際には、本当に経費で落としてしまって大丈夫なのか、今一度確認するクセをつけておきましょう。
以前に固定資産の付随費用の取扱について記事にしたことがあるので、詳しい内容についてはこちらをご覧ください。

納品書だけではなく、本当に稼働しているか

「事業の用に供した日」から減価償却が可能

固定資産を購入した場合、減価償却をして経費に計上していくわけですが、減価償却は実際に稼働した時から計上できます。
購入してただ設置しただけ、という状態では減価償却できません。
国税庁のタックスアンサーでは、実際に稼働させたときを、「事業の用に供した日」と定義しています。

事業の用に供した時期とは

減価償却資産を事業の用に供したか否かは、業種・業態・その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案して判断することになります。

「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいますので、例えば、機械等を購入した場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。

以下国税庁タックスアンサーQ3をご覧ください。

納品書・納品書の日付だけ今期中に変えれば大丈夫ではない

例えば、特別償却税額控除を受けられる機械装置などを購入した場合、税金をかなり安くすることができます。
もし、その固定資産の納品が期末に近い場合、本当に今期中に「事業の用に供されている」のかを、調査官は必ずチェックします。
ここで注意していただきたいのは、請求書や納品書の日付が今期中になっていればよい、ということではありません。
調査官はいつ稼働しているのか、の裏付けを取るために色々な角度で資料をチェックします。
基本的に、納品書・請求書はいくらでも体裁を整えることができるので、調査官は納品書・請求書に記載されている内容については、深く信じてくれません。
固定資産を導入するにあたり、様々なやり取りが発生するかと思います。
ベンダーへ問い合わせに始まり、見積書、社内稟議書、業者との打ち合わせメモ、納品書、請求書、支払、稼働日報の記入、固定資産から完成された製品、完成された製品の売上計上、などの流れが想定されます。

この一連の流れで、調査官は、本当に今期中に稼働しているの?と疑いのまなざしで確認してきます。

チェックポイントは、

●社内で管理している機械の運転日報で稼働状況を確認
 
→今期中の日付で運転日報に記載があるか。

●複合機の場合、カウンター使用状況から稼働状況を確認
 
→機械側で稼働状況を記録することができる場合には、稼働日が今期中になっているか。

●保守契約している場合、請求書や契約書に書かれた保守期間から稼働状況を確認→保守契約の期間から稼働日を推定し、保守契約期間開始が今期中になっているか。

●固定資産から製造された製品から稼働状況を確認
 
→今期中に稼働していれば、製品としての製作物があるか。なくても仕掛品として計上されているか。いずれもない、ということであれば、本当に稼働しているのか疑われる可能性もあります。

●上記でも本当に稼働したかの確認が取れない場合、ベンダーへの反面調査
 →ほとんどないケースだと思いますが、徹底的に確認しようと思えばできます。ベンダー側で実際に納品しているのはいつの時点なのかを確認します。

除却損計上の注意点

固定資産を使わなくなった場合に、除却損として、固定資産の帳簿価額を営業外費用や特別損失に計上する処理があります。
この処理についても、調査官は本当に今期中に除却したのか、疑いのまなざしを以てチェックします。

チェックポイントは、

●業者による引き取りがある場合には引き取りに係る運賃などの請求書廃棄証明があるか
 →引き取りに係る請求書に、引き取り時の日付が今期中になっているか。

●売却した場合には、売却に係る代金の確認
 
→売却代金の入金時期や領収証の控え(耳)の日付が今期中になっているか。
(入金時期が遅くなっているだけで追徴課税、ということにはならないでしょうが、固定資産の引渡しが今期に行われていることを証明できる何らかの資料は残しておいたほうがよいでしょう。)

一括償却資産を除却した場合に、除却損を計上していないか
 
→一括償却資産は除却損を計上することはできません。

詳しくは、過去の記事をご覧ください。

まとめ

今回は固定資産に関連する税務調査時の注意点について、お伝えしました。
固定資産だけに限らず、税務調査は「実態がどうなっているのか」がキーワードです。
ただ表面的に書類の日付や中身を整えれば乗り切れるものではありません。
今期中に稼働させる必要があるなら、ちゃんと動かして使用し、そしてそれを証明できるような書類を作っておく。
そんな準備をしておく必要があります。
今後も調査で指摘されるようなポイントについてご紹介していきたいと思います。

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小幡剛史(おばたたけし) 1984年5月15日生 2018年12月に独立した30代のさいたま市浦和区の税理士です。 クラウド会計を活用して経理効率化が得意です。 二児の父です。 週末はスーパーに開店前から並んで、賞味期限ギリギリ激安おつとめ品をゲット!することが最近のマイブームです。 趣味はバイク(ゼファー750RS)・写真(NikonD610)・家庭園芸・DIY・レザークラフト・山登りです。