会計帳簿で一番上にある科目が現金。
一番上にありすぐ目につくことから、あって当たり前と考えている方も多いと思います。
しかし、この現金勘定、管理するのは意外と手間がかかります。
そこで、いっそのこと現金の管理なんてやめて、科目自体を使わないようにすることをオススメします。
現金の管理は手間がかかる
現金の管理は何で大変なのかというと、「履歴が残らない」ということです。
預金だと、通帳で履歴として入金・出金が確認できて、かつ残高もその都度表示されていますが、現金だとそうとはいきません。
例えば、入金。
こちらが領収証を相手に渡せば、領収証の「耳」でいくら入金があったかが分かりますが、領収証を渡していなければ、何かにメモをしていない限り、いくら入金があったのかは記憶に頼るしかありません。
そして、出金。
レシートがすべてそろっていれば、出金の事実が分かりますが、もしレシートをもらい忘れたり、レシートの出ない自動販売機で買ったりしてメモをしていなければ、後は記憶に頼るしかありません。
記憶力がいい方であれば問題ないと思いますが、記憶が曖昧になる方も多いと思います(私だけではないはず。。)
そして、入出金を会計に入力したあと、実際にある現金残高と一致しているか、確認作業をしなければなりません。
その時に帳簿上の現金残高と、実際に手元にある現金残高が違っていると、何が原因なのか考えることになりますが、預金のように履歴が分からないことから、最後は「現金過不足 ××円」という科目で損益調整する羽目になってしまいます。
こんなメンド臭くて、管理が大変な現金なんて止めませんか?
現金勘定は使わなくても大丈夫
どうしても現金が手元になければならない飲食業などの業種以外であれば、現金勘定は使わなくても大丈夫です。
実際には現金を使っているのに、現金勘定を使わなくてもいい、というのは何で?と思われるかもしれません。
それは「事業用の現金」ではなく、「プライベートのお金」を使ったことにすればいいのです。
現金勘定を使わないようにする仕訳
現金を使った時の仕訳は、以下のようにするのがオススメです。
経 費 | ××円 | 事業主借 | ××円 |
経 費 | ××円 | 役員借入金 | ××円 |
右側に「現金」を使うのではなく、「事業主借」・「役員借入金」を使います。
この意味することは、「プライベートのお金」を会社(事業主)が個人から借りて使いました、後でプライベートにお返しします。といった意味合いです。
そして後日精算するときに、預金口座から「事業主借」・「役員借入金」と同額のお金を引き出して、プライベートにお返しすれば、精算完了です。
仕訳としては、
事業主借 | ××円 | 預 金 | ××円 |
役員借入金 | ××円 | 預 金 | ××円 |
なるべくクレジットカードで支払うようにする
現金を使った以上、仕訳を入力しなければなりませんが、いっそのこと現金をやめてクレジットカードでの支払いにするのはいかがでしょうか。
私自身、どうしても現金でないとダメなお店以外は現金を使わないようにして、クレジットカード(iDやクイックペイ)での支払いにしています。
クレジットカードなら履歴は残るし、マネーフォワードだと自動で入力できるようになるし、といいことづくめです。
現金からクレジットカードに支払手段を変えるだけで、経理業務がぐっと効率化します。
まとめ
レジで順番待ちをしているときに、こっそり他の人の決済手段を見ていますが、まだまだ現金利用率は高いなぁって思います。
どうして日本人は現金が好きなんでしょうか。
経理業務の効率化をするのであれば、お金の使い方から考えていかなければなりません。
まずは現金を使わない。なるべくクレジットカードを使う。
私自身スーパーでも現金しか使えない店はなるべく使わないようにしています。
キャッシュレスがどんどん進む世の中ですから、この際現金を利用することをやめてみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
いよいよ10連休に入りました。
独立する前だとウキウキ気分だったでしょうが、独立してからは、休みとか意識しなくなってしまいました。
平日もろもろの用事を済ますことができてしまうので、毎日休みと仕事が混在しています。
メリハリがないといってしまえばそれまでかもしれませんが、個人的にはこういう働き方の方が合っている気がします。
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